膝のお皿の話
10月12日(金)
゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の臨時休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
 それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
 詳しくはホームページの獣医師出勤表をご確認下さい。 
 平野:10月16日(火)、19日(金)20日(土)、21日(日)、27日(土)、28日(日)
 百石:10月13日(土)午後、22日(月)出勤、23日(火)、24日(水)、25日(木)、26日(金)27日(土)、28日(日)
 廣畑:10月20日(土)、22日(月)、23日(火)出勤
 三浦:10月25日(木)出勤
 こんばんは、獣医師の國廣です。
 最近はめっきり涼しくなり、秋を実感しますね。
 季節の変わり目は体調を崩しやすくなりますので、皆さん体調管理はしっかり行いましょう。
 そんな私は先日歯医者に行ってきました。親知らずを抜くために!!
 デンタルの先生をしている身分でお口のトラブルは治しておきたいですよね。
 局所麻酔をかけ抜歯をされ、ついでに歯石処置もしていただきました。
 普段わんちゃん、猫ちゃんのスケーリングをする身としては、される側になるととても変な感じでした。笑
 これでしばらくお口のトラブルは起きないだろうと思います。
 とまぁ個人的なお話はこの辺にしておいて・・・
 今回のテーマは11ヶ月MIX(ポメラニアン×ヨーキー)のNくんのお話。
 Nくんの主訴は「膝蓋骨(膝のお皿)の脱臼」の手術についての相談でした。
  そもそも膝蓋骨とは・・・?
 
 上の図に示すように大腿骨と脛骨の関節部分に存在し、大腿骨の滑車と呼ばれる溝部分を滑ることで膝関節の屈曲-伸展運動をスームズに行う働きがあります。
 ではでは本題の「膝蓋骨脱臼」とは・・・?
 この膝蓋骨が内側や外側にずれることで、関節運動をスームズに行うことができなくなり、関節炎などの症状を起こしてしまいます。
 原因の大半は先天的な異常で、ヨーキー・ポメラニアン・チワワ・プードルなど小型犬に多く見られます。
 またそのほとんどが内側への脱臼(内方脱臼)を起こしています。
 診断方法としては、身体検査で容易に診断がつきます。
 膝蓋骨脱臼はその程度で4段階のグレードに分けられます。
 
 グレードⅠ:膝蓋骨は手で押すと脱臼するが、手を離せば正常位に戻る
 グレードⅡ:膝蓋骨は膝を屈曲するか手で押せば脱臼し、膝を伸展するか手で押せば整復する
 グレードⅢ:膝蓋骨は常時脱臼したままで、徒手整復可能であるが手を離せば再び脱臼する
 グレードⅣ:膝蓋骨は常時脱臼し、徒手整復されない
  
 上記のようにⅠが軽度、Ⅳが重度になります。
 治療に関して基本的には症状を見ながら痛み止めや炎症止めを用い、管理が難しくなれば
 手術という選択肢が一般的ですが、グレードⅢⅣの状態を放置するといずれは症状が出てくることが多いです。
 その予防として手術を選択するのも1つです。
 今回のNくんは左側がⅢ、右側がⅢ~Ⅳというグレードでしたが、大きな症状はありませんでした。
 しかし今後のことも考えて飼い主様と相談した結果、右側の手術を行い後に左側も検討していくという方針となりました。
 術前のレントゲン写真ではこのように膝蓋骨が内側に脱臼しています。
 
 では実際の手術写真を以下に載せます。(少々刺激の強い描写がありますので、苦手な方はお控えください)
 
 
 まずは皮膚、筋肉を剥離していき、大腿骨の滑車部分を露出します。
 正常の滑車部分よりも溝が浅くなっているのが分かります。
 
 そしてドリルで滑車部分を削り、深い滑車を作ります。(造溝術と呼びます。)
 
 溝が深くなるだけでは、脛骨部分の歪みは変わらず再び脱臼するリスクが高くなりますので、
 脛骨部分の歪みを解消するためにピンで固定していきます。
 術後のレントゲン写真です。
 
 膝蓋骨が正常な位置に戻っているのが分かります。
 術後は包帯で固定し、しばらく安静にするために入院管理が必要です。
 術後の回復が良ければ、左側の手術も検討していく予定です。
 Nくん、よくがんばってくれました。
 病気や手術に関してすべて記載できませんので気になること、悩みなどございましたら
 お気軽にご相談ください。
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