単なる皮膚病?
7月17日(火)
゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の臨時休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
詳しくはホームページの獣医師出勤表をご確認下さい。
平野:7月19日(木)午前、29日(日)
百石:7月21日(土)午後
三浦:7月27日(金)午後
こんばんは。獣医師の三浦です。
実はずっと気になっていたものがありまして…
猫飼いの皆様はきっとご存知かと思います。
猫のかぶりものガチャガチャ!
先日、通りがかりに見つけて回してしまいました。
当たったのはトマト🍅
ごまは嫌がるかな…と恐る恐る被せてみると…
思いの外、平気😍
このまま暫くウロウロ過ごしてくれました 笑
こんなお利口さん(親バカ失礼)が、病院ではカラーも付けられないほど狂暴化します。
病院に来る犬猫さんは怒っていたり猫被っていたりが多いので、
お家でのこんな意外な一面も教えていただけると嬉しいです☺
さて、本日は柴犬のNちゃんを紹介します🐕
Nちゃんは半年ほど前から皮膚の痒みが強くなり、
シャンプーで何とか頑張っていましたが、とうとう我慢の限界で来院されました。
初診時のNちゃんの様子です。
皮膚はべたつき、ガサガサな状態。
毛は全体的に薄くなっていました。
特にお顔周りが痛々しく…
色が黒ずんでいるのは慢性的な炎症のためです。
長い間辛かった様子が見て取れます💦
診察ではまず、皮膚表面の顕微鏡検査により、多量の細菌が認められました。
表皮には通常でもある程度の細菌はいるものです。
いわゆる、常在菌と言われるものです。
しかしこの常在菌が何らかの原因で多量に増えたとき、痒みを引き起こします。
Nちゃんの来院目的は、「痒みを止めてあげること」なので
まずは抗生物質を処方します。
そして薬用シャンプーの頻度を増やすようお伝えしました。
しかし、「なぜ細菌が増えたのか?」を考えなければ、
この方法は対症療法に過ぎず、一旦治っても再発してしまうかもしれません。
14歳のNちゃん。
ここまで細菌が増えてしまったのは、何らかの持病が原因である可能性があります。
初診でしたが、健康診断としての血液検査をお勧めしました。
その結果…
甲状腺機能低下症であることが分かりました。
犬の甲状腺機能低下症は、原因は定かではありませんが、喉にある甲状腺が萎縮もしくは破壊され、甲状腺ホルモンの分泌が少なくなってしまう病気です。
このホルモンは主に体の代謝機能を担っていて、低下すると体温の低下や心拍数の低下などの症状が起こります。
また、皮膚や毛の代謝機能も落ちるため、脱毛し、膿皮症や脂漏症などの皮膚疾患を起こしやすくなります。
治療方法はいたってシンプルで、足りなくなったホルモンをお薬で補給するだけです。
お薬は一生飲まなければなりませんが、きちんと量が合っていれば、良好に過ごすことのできる病気です。
Nちゃんもホルモンのお薬を開始し、見違えるように良くなってくれました🤗
まだ皮膚病は残っていますが、痒みはかなり改善しているそうです。
現在飲み薬はホルモン薬のみに減らし、副作用の少ない薬用シャンプーで皮膚のケアを行っています。
甲状腺機能低下症は治療は簡単ですが、気づかず放っておくと昏睡状態に陥ってしまうこともあります。
シニアの犬に多い病気なので、一見「齢のせいかな」なんて見過ごされることも多いです。
血液検査の健康診断セットには、甲状腺ホルモンの測定が組み込まれたものもありますので、是非ご活用ください。
また、身体の内側の病気が、皮膚の状態に影響を及ぼすことも多々あります。
単なる皮膚病と侮らず、必要に応じて検査を進めていきましょう。
これからの季節は湿気が多く、ただでさえ皮膚病が増えてきます。
暑さに負けず、頑張って乗り切っていきましょうね😊
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R. MIURA@U-KYO-Animal Hospital
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京都市内唯一腹腔鏡システム導入 [腹腔鏡下避妊手術]
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