右京動物病院(京都の動物病院)右京動物病院スタッフブログ恐るべしドライアイ(>_

恐るべしドライアイ(>_

診察

9月17日(日)

゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の臨時休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
詳しくはホームページの獣医師出勤表をご確認下さい。
 平野:18日(日)、24日(日)、28日(木)、30日(土)午後
 百石:23日(土)午後

連休ですね!!
どこかご旅行に行かれている方も多いのでは?😀
こういう時期は当院ではホテルに来てくれる子たちが急増します😄
体の大きさや動物さんの種類によってもいろんなお部屋をご用意してますので、
ぜひご活用ください!
たくさんのお友達を作れるチャンスですし、病院に慣れてもらえる
良い機会にもなります。
お預かり中に健康診断やトリミングができちゃうのも、
ヘルスケアセンターならではです!
気になる方はどしどしご連絡くださいね☺

さて、今回は”眼の病気”についてお勉強します。
人と同様ワンちゃんネコちゃんにもいろんな眼の病気があります。
その中でも比較的よくみられる”ドライアイ”についてお話しようと思います。

ドライアイの正式名は”乾性角結膜炎”といいます。
角膜を常に湿潤に保ち保護している”涙膜”が欠乏することによって、
角膜や結膜が炎症を起こしてしまう病態です。
原因には…
①先天性
②薬物誘発性
③感染性(ジステンパーウイルス)
④神経性
⑤瞬膜切除術後
⑥内分泌性
⑦免疫介在性
があげられます。

診断方法はシルマーティアーテストといって、
試験紙を眼にあてることによって分泌される涙の量を測定します。
涙がほぼ出ていなければ診断ができます。
また、このような乾いた眼はバリアがなく
非常に傷がつきやすいため、角膜潰瘍を引き起しやすいです。
さらに二次的な感染も起こしやすく、たくさんの眼脂が
こびりついて眼が開きにくそうにしている場合が多いです。
当院でも今現在ドライアイと頑張って闘っている、
ミニチュアダックスフンドのRちゃんがいます。
Rちゃんも最初は目がしょぼしょぼしていて
開きずらそうな状態で来院されました。
目やにもびっちりな感じです。

シルマーティアーテストをすると、
全く涙が出ていないことがわかりました。
黄色い眼脂も出ているので感染も起こってしまっている状態です。
Rちゃんの場合は状況からして
免疫介在性のドライアイが疑われました。
治療は免疫抑制剤の眼軟膏と抗生剤の点眼薬の投与です。
また少しでも角膜を保湿するためにヒアルロン酸を含んだ点眼薬を
頻繁に投与します。
しばらく点眼を続けていると目やにはほとんどでなくなり、
眼のしょぼつきもましにはなりました。
しかし、眼が潤うほどまではいかず、
シルマーティアーテストも正常値には至りませんでした。

そうこうしているうちに、ある日突然、Rちゃんの全身状態が悪くなり、
ご飯も食べず元気もないということで来院されました。
すると40℃近くの熱があり、血液検査をすると
炎症の数値が跳ね上がっていました。
感染や炎症がいったいどこで起こっているのかを
特定するために全身の検査を行います。

しかし、これといった異常な所見が得られません。
そうなった場合に考えられるのが免疫介在性の病気です。
原因不明で特発的に発症します。
治療法は免疫抑制剤であるステロイドを使用します。
もちろんステロイドは安易に使える薬ではありません。
慎重にステロイドの投与を開始しました。
すると…覿面効果が現れ、熱は下がり食欲も出てきて元気になりました。
また、それまで患っていたドライアイも
この治療を続けているうちに徐々に改善してきました!
おそらく根底に特発性の免疫介在性の病気があり、
それによってドライアイも全身状態の悪化も引き起されたのでしょう。
現在、Rちゃんは点眼薬と飲み薬を毎日頑張って続けてくれています。

眼の病気と思いきや、実は全身疾患の
一部の症状だったというケースは少なくありません。
糖尿病性の白内障や全身性炎症疾患による
ブドウ膜炎…など、裏に隠れている病気に
気付くことが大切です。
眼のこと以外でも、何か気になる症状があれば
何でもご相談下さいね!
病気の早期発見に繋がるかもしれません。
一緒に家族の健康を守っていきましょう!

それでは今日はこの辺で・・・ 
出来ましたら、拍手をお願いします♪
(拍手も、ランキング参加も、いつも、スタッフ一同の励みになっています(o^∇^o)ノ) 

A.Hyakkoku@U-KYO-Animal Hospital

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