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慢性下痢の原因は?

診察

3月12日(火)

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こんばんは。獣医師の三浦です。

先日の休み、猫たちの姿が見えないなぁと探してみると
寝室でお尻をひっつけあって寝ていました😍

2頭目を迎えて良かったなぁと思う瞬間です。
猫は寝る位置によって飼い主への信頼度が分かるといいます。
足元から頭に近づくにつれて、信頼度が上がるそうです。
皆さんの猫さんは、どこで寝ていますか?
ちなみに我が家では、つぶは私の腕枕で寝て、ごまは私の真上に乗って寝ます。
重いです…。

さて、本日は柴犬のKちゃんのお話です。
Kちゃんは下痢が1ヶ月以上治らないという主訴で来院されました。
ステロイドの投薬で一時的に良くなったかと思われましたが、
量を減らしてから再び悪化し、ついには食欲までなくなってしまいました。
来院された時には診察室でも待合でも度々水のような便が出て、
嘔吐も止まらない状態でした😣

犬にとって下痢はとても多い症状ですが、
一般的には食べ物やストレスが原因の急性大腸炎が多く、
この場合は数日で治まることがほとんどです。
下痢が2週間以上続く場合は慢性腸症と言われ、
膵外分泌不全症、抗菌薬反応性腸症、腸リンパ管拡張症、炎症性腸疾患、腫瘍性疾患など様々な疾患があります。
Kちゃんの場合は嘔吐も生じていたのとリパーゼの数値が高値でしたので、膵炎の存在も考えられました。

画像検査では異常がなかったということでしたので、
初診時は血液検査のみを行ったところ膵炎は否定的でしたが
ステロイドの影響か、肝酵素が急激に上昇していました。
その日はすでに投薬ができていない状況でしたので一旦ステロイドを休薬し、
今まで使っていなかった抗菌薬や食事変更を試みることにしました。
まずは嘔吐を止めて食欲を戻すため、点滴を行いました。

しかし2日目になっても全く食べることはできず、再度画像検査を行いました。
すると、エコー検査で腹腔内のリンパ節が数か所腫れていました。

長さを測っている黒っぽく丸い部分がリンパ節です。
このような像が数カ所に認められました。
リンパ節は炎症の結果腫れることもありますが、リンパ腫などの腫瘍でも腫れます。
このまま闇雲に治療を続けても、腫瘍の場合は治療効果が期待できません。
特にステロイドの使用は、リンパ腫の診断を妨げてしまうことがあります💦
そこで、ステロイドを休薬している間に麻酔をかけて内視鏡検査、CT検査を行うことにしました。

結果、CT検査ではやはり腹腔内リンパ節の腫脹が認められましたが、
そのサイズと臓器の状態からは、腫瘍の可能性は低いという判断。

緑のラインが合わさったところがリンパ節です。
エコー検査よりもよりはっきりと見ることができます。
内視鏡検査でも、慢性胃炎や腸炎は認められましたが、
やはりただちに腫瘍を疑う所見ではないという結果が出ました。
いずれの検査でも、腫瘍よりも「炎症性腸疾患」と一致する結果が出たため、治療を開始することにしました。
具体的には抗菌薬の投与、食事の変更、ステロイドの投薬など。
ステロイドは副作用を及ぼすこともありますが、強い抗炎症効果が期待できるため
現状では投薬によるメリットの方が大きいと判断されました。
すると翌日には、数日間食べていなかったのに、ご飯を完食!
おかわり!とでも言いたげなお顔でこちらを見上げてくれました😊

検査前のぐったりした顔つきとは見違えるようにスッキリした様子です。

Kちゃんの場合は、高用量のステロイドが必要でしたが
すでに肝酵素が上昇していたり、試験的に投与を続けるのは不安な状態でした。
しっかりと検査をして現状を把握したことにより、
根拠のある治療方針を立てることができました。
内視鏡検査やCT検査は麻酔が必要な検査であり、負担も伴います。
しかし得られる情報はとても多いです。

退院後数日経って、まだ下痢は治まっていませんが
長期間続いた下痢なので、落ち着くまでも時間がかかるでしょう。
これからも長い闘病生活、頑張っていきましょうね!

それでは今日はこの辺で・・・ 出来ましたら、「いいね」をお願いします♪

R.Miura@U-KYO-Animal Hospital

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京都市内初の腹腔鏡システム、CT検査装置導入 [腹腔鏡下避妊手術、遠隔診断]
動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
 ISFMキャットフレンドリークリニック ゴールド認定 

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