発作を中医学で考えると?
12月18日(火)
*******年末年始の診療について*********
12月31日~1月3日も診療しておりますが、
救急・予約対応の午前診察のみとなります。
来院される場合は事前にお電話ください。
(フード・お薬飲みの受け渡しも上記期間はご遠慮ください。)
31日(月) | 1日(火) | 2日(水) | 3日(木) |
太陽・國廣 | 院長・廣畑 | 三浦 | 百石 |
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それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
詳しくはホームページの獣医師出勤表をご確認下さい。
平野:12月29日(土)午後
百石:12月22日(土)午後
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パピー教室:12月22日(土)
1月5日(土)座学、11日(金)、19日(土)、25日(金)
こんばんは。獣医師の三浦です。
先日、「人魚の眠る家」を観てきました。
普段、明らかに人が死ぬだろうという映画は見ないのですが
この映画はずっと気になっておりまして…
案の定とーっても重い内容で、観た後ものすごく疲れましたが
誰もが遭遇する可能性のある話で、皆さんにお勧めしたいです。
個人的には、最後の医師の一言で救われました。
ただ、本当に疲れますので、ご覚悟を。
さて、本日は、ミニチュアダックスフンドのKくんのお話です。
先日、突然のけいれん発作で来院されました。
その数日前の診察ではとっても元気で、トリミングを受けたところでした。
最初は夜中に発作が起こり、大きな発作はすぐに落ち着いたものの
翌朝まで意識は戻らず、小刻みな痙攣が続き、来院されました。
すぐさま入院し、静脈注射での抗痙攣薬の投与を開始、
脳圧が上がっている可能性も考慮し、降圧剤も投与しました。
Kくんは強い刺激にわずかに反応するのみ…混迷状態がまる1日続きました。
それでも少しずつ意識は戻り、2日目には水を少し飲み、
入院4日目には何とかご飯を食べてくれるように!
そして1週間後、自分の力でご飯を食べれるようになり、退院の日を迎えました😊
実はKくん、17歳のおじいちゃん!
発作の原因として、血液検査で腎臓と肝臓の数値が上昇していたため
何らかの中毒も疑っていたのですが、
その後の経過から、やはり脳のトラブルではないかと考えています。
そして高齢の脳疾患として疑わしいものの一つは、脳腫瘍。
犬の脳腫瘍で最も多いのは髄膜腫というもので、
治療には手術や放射線療法が適応となる場合があります。
ただ、17歳でそれらの治療の負担に耐えられるか、ということを考えると
たとえ腫瘍があったとしてもKくんにはあまり勧められません。
手術や放射線療法を選択しない場合、他の疾患と同様に内科療法を行うことになります。
そのため、確定診断のためのCTやMRIなどは撮らず、発作が起こらないよう抗痙攣薬を始めました。
抗痙攣薬は多すぎると体がフラフラになります。
今後は発作が起こらないギリギリの量を調整していくことになります。
でもいつかは限界がきて、発作を抑えきれなくなるかもしれません。
ここまでが、西洋医学の話。
ここで、東洋医学ではこの状態をどう考えるでしょうか?
東洋医学では、五臓六腑のうちの「肝」のトラブルが発作の原因と考えられています。
肝は気を巡らせる働きがあるのですが、
そこが弱ってくると気が体中に巡らず停滞し、体の上部に溜まってしまいます。
どんどん溜まってくると熱を持つようになり、頭痛やめまい、発作などを起こします。
また、東洋医学では「肝」は「腎」と親子のような関係なので、
親である「腎」の弱りが「肝」のトラブルの原因ともなります。
腎は冬に弱く、また、年齢とともに弱ってくる臓器です。
そのため、鍼灸や漢方で溜まったものを流す治療とともに、補腎していくことが大切です。
このように、副作用を恐れながら薬を増やすのではなく、
その子の体質に足りないものを補ったり助ける治療を行うのが東洋医学です。
Kくんも今後長く続く闘病生活のことを考え、漢方薬を開始しました。
抗痙攣薬も必要ですが、少しずつ体力が出てきて歩けるようになってきました。
どんどん前に進むので、隅っこに嵌ってしまいました💦
そんな所も高齢ワンちゃんの愛おしいところですね☺
自分で動けるようになってくると、Kくんの顔にもだんだん覇気が出てきたように思います。
頑張って冬を乗り越えましょうね!
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R.Miura@U-KYO-Animal Hospital
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
ISFMキャットフレンドリークリニック ゴールド認定