諦めない心が大事
1月11日(金)
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國廣:1月20日(日)、25日(金)、26日(土)
分院長です。
みなさん、明けましておめでとうございます。世の中ではインフルエンザが大流行していますね。
何事も早め早めの予防が大切です。手洗いうがい、ワクチン接種をお忘れなく。。
今日は先日あった嬉しかったことを。
日々診療をしていて根治ステージにない子を診ることも多く、対症療法や緩和療法中心の治療を施すしか方法がないことがあります。
根治できないのであればと、これらの治療を希望されない飼い主様もいらっしゃいますが、本人の苦痛の軽減の為にもなんとか、、と説得を試みます。
先日来院されたワンちゃん。
呼吸が荒く苦しそうでご飯を食べないとのこと。
確かに呼吸回数が多く、お腹を使って呼吸しています。人間が膝に手をついて呼吸しているような姿でした。
レントゲンを撮ると肺は真っ白。
粟粒状の結節が肺全域に認められます。転移性腫瘍の所見です。
腫瘍の親玉を見つける為に腹部エコー検査を実施すると、
右腎臓に巨大な腫瘤が見つかりました。おそらくこれが親玉の腎臓癌で、遠隔転移により肺に癌細胞が広がってしまったのでしょう。
残念ながら根治ステージではありません。
しかし、エコー検査でもう少し詳しくお腹の中を調べてみると、
後大静脈が拡張しており、心臓に問題がありそうな事がわかりました。静脈が拡張しているということは、血液が渋滞しているということです。血液を循環させているのは心臓なので、心不全があるであろうという考えになります。
(画像の左下の黒い横棒が後大静脈)
心エコー検査を実施すると三尖弁逆流が見つかり、うっ血性心不全である事がわかりました
(通常、逆流症は心雑音が聴診されるものですが、この子 の場合は心雑音がありませんでした。心エコー検査をしなければ気づけなかったと思います。)
そこで飼い主様に一つ提案をさせていただきました。
『肺の全域に転移性の癌が広がっており、呼吸を苦しくしています。しかし、心不全からくる肺水腫が呼吸をより苦しくしている可能性があります。1週間だけでもいいので心臓のお薬を飲んでみませんか。』
すでに癌は根治ステージにない事もあり積極的な治療を希望されていませんでしたが、なんとかお話をさせて頂き、お薬を1週間だけ試していただけることに。
1週間後、なんと心臓のお薬をくださいと来院されたのです!
薬を飲み始めて翌日には呼吸が楽になり元気にご飯を食べてくれるようになったとのこと。
レントゲンを撮影すると、僅かですが肺の透過性が亢進しています。
やはり少量ですが心原生肺水腫が呼吸を苦しくしていたようです。
薬の効果を実感していただき、なんとかもう一種類お薬を追加することもできました。
諦めずにお話をさせてもらってよかったと思います。嬉しかったです。
もちろんここから癌との戦いが始まりますが、少しでも有意義な時間をご家族とその子に提供できたらと思います。
諦めない心が大事。
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
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