匙(さじ)加減
12月12日(水)
スタッフ犬の小豆さん
昨日のブログにもありましたが
ヴィヴィとは違ってかなり頭の良い子です
実は診察中も裏でじっと静かに待っていることもあります
さてさて小豆には持病があります
心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)と椎間板ヘルニアです
椎間板ヘルニアは手術やリハビリによって
ある程度克服したものの
実はまだ少し問題が残っています
それは排便・排尿がうまくできないということ
成功するときもあるのですが毎回というわけにはいきません
なので毎日4回くらいは尿を出してやる必要があります
「でも貯まってくれば尿は勝手に出るんだし
わざわざ出してやらなくてもいいんじゃない? 」
と思われる方もいるかもしれません
しかしそこが問題でして・・・
膀胱の中に古い尿が貯まっていると膀胱炎になりやすいんです
できる限り水を沢山飲んで、新鮮な尿を出して循環を良くしないといけないんです
なので定期的な尿検査は欠かせません
残念ながら少量の細菌が認められました
しばらくは抗生剤を飲んでもらいます
ほんとうは少し塩分の濃いフードに切り替えて
水分摂取量をもっと増やしたいんですが
心臓には負担がかかってしまうので難しいところです
このように何かの治療をすると
こっちには良くないということが病気の治療ではしばしばあります
そういうときは状況に合わせて治療薬やフードの内容を決定していきます
いわゆる「さじ加減」と呼ばれるものです
そもそも昔の医者は「おさじ」 と呼ばれていたみたいです
この言葉は以前の勤務先で診させていただいていた子の飼い主さんに教えてもらいました
末期の心臓病で治療のさじ加減が難しいなか、かなり頑張ってくれたネコちゃんでした
そして最後に「先生のさじのお陰で頑張れました」と言っていただきました
さじ加減・・・
非常に難しいですが
その子その子に合わせて一番の選択ができるように努力していきたいと思います