皮膚病治療の実際
3月16日(土)
※3月臨時休診のお知らせ
19日(火)午後
30日(土) は臨時休診となります。
ご迷惑をお掛けしますが、何卒宜しくお願いします。
昨日紹介させていただいたワンちゃんですが
数年前(3歳くらい)より 痒みが出始めたとのことです
初診時の写真になりますが。。。
毛は抜け落ち、痒くてしきりに掻いているので出血などもしています
ご家族も少しでもよくなってくれたらとシャンプーを2日に1回されたり
精一杯頑張られておられましたが
なかなか改善が見られず、諦めざるをえないような状況でした
そこで昨日ブログで書いたような説明をさせていただき
一つ一つ確認しながら治療を進めていくこととなりました
まずノミダニ予防ができていないということ
このように皮膚病のひどい子の場合はノミが1匹つくだけでも
ものすごい痒みに襲われます
まず毎月1回のノミダニ予防を絶対としました
シャンプーもよくするので飲み薬がオススメです
次に「疥癬・毛包虫」といった皮膚の寄生虫がいないか
抜毛検査・スクレイプ検査を実施
「細菌・マラセチア」といった病原体がいないか
皮膚スタンプ検査を実施しました
結果としては細菌とマラセチアが多く見られ
「膿皮症・マラセチア性皮膚炎」といった診断がつきました
そこで薬用シャンプーと飲み薬で徹底的に感染を排除しました
それだけでも痒みがかなり改善されましたが
まだ痒みが残っているとのこと
つまり寄生虫や細菌感染がなくても痒みがあるということは
食物性アレルギーやアトピーの可能性が高いということですね
アトピーの痒みに対してはステロイドがよく効きます
しかしステロイドは高用量で使うと免疫力を低下させたり
長期間使用すると肝臓に負担がかかったり
急に休薬したりするとホルモン病になることもあります
そういった情報は一般的になってきていますし
人間でも悪いイメージがある薬ですので
できれば使わずに治したいというのが本音です
しかし
使わざるをえないこともありますし
ステロイドがなければ治療できない病気も多々あります
大事なのは「適切な処方の仕方」と「むやみに怖がらない」ことだと思います
話がずれましたが今回は除去食試験も含めて相談した結果
副作用のほとんどないステロイドのスプレーと薬用シャンプーで維持していくこととなりました
治療開始1ヶ月くらいですがかなり皮膚はきれいになってきました
痒みも治まり毛も生えてきています
この状況まで飼い主さんには何度も来院していただいたりしましたが
ワンちゃん自身が痒みから解放されて喜んでくれれば言うことなしです
このように長年皮膚病で苦しんでいても
適切な診断と適切な治療で改善してくれる子達はたくさんいてます
時間もかかるかもしれませんが
諦めずに相談していただければと思っています
痒いってなかなか辛いものです・・・
では今日はこの辺で・・・・
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