肺転移の恐怖
6月13日(木)
よくブログでも書いていることがありますし
診察中などにも言っている言葉があります
「早期発見・早期治療」
これはどんな病気にでも言えることですが
特に腫瘍疾患(癌)で最も重要かもしれません
癌というのは悪性の腫瘍ことを意味するのですが
現在のワンちゃん・ネコちゃんの死因としてはトップになっています
しかし癌が小さいうちに発見すれば
手術で取りきることで完治を目指すこともできます
もちろん取りきれなくても抗癌剤などの内科治療や
免疫療法といった新しい治療などで長生きすることもできます
ただ・・・全身に転移してしまった場合は
正直、手の打ち所がありません・・・
下の写真は以前来院されたワンちゃんのレントゲン写真なんですが
肺に白いツブツブがたくさんあります
(よく医療ドラマなんかでいう「肺に白い影が・・・」というものですね)
これはお腹の中の腫瘍が転移してしまったものです
これが健康なワンちゃんの胸のレントゲン写真です
キレイな肺というのは黒く写ってきています
こうやって見ると違いは明らかですよね
このように末期の状況になると治療も難しく
緩和治療で苦しみを取ってやることしかできません
無力を痛感する瞬間です
そしていつも思うのは
もう少し早く気づいていれば・・・ということ
皮膚にできた癌なんかだとすぐに飼い主さんも気づけるのですが
お腹の中などは見ているだけでは分かりません
症状も末期になるまではなかなか出てきません
早期発見するにはやはり健康診断でレントゲンや超音波検査をする必要があります
しかし普段食欲もあって元気となると
なかなかそこまで検査する気になれないようです
こういう怖いことがあることを獣医師は知っていますので
健康診断を勧めても
「お散歩も元気に行って食欲もあるし、この子は今まで病気もしたことないから大丈夫」
といわれ断れることがたくさんあります
ただ・・・
だからこそ・・・
健康診断が必要なんじゃないでしょうか?
症状が出てからでは遅いので、早めに異常に気づいてあげる
もの言えぬ動物だからこそ健康診断が重要なような気がします
今日はなかなか言えなかったことを書いてみました
なかなか理解を得るのは難しいですが
これからも口を酸っぱく言っていこうと思います
では今日はこの辺で・・・・
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