天寿癌
7月5日(金)
7月になって急に暑くなってきましたね
皆さん夏バテなどはありませんか?
お身体、大事にされてくださいね
さてさて
昨日そして明日もある同じ病気の手術があります
それは「乳腺腫瘍」の手術
当院のような小さな病院でも1月に5例 程あります
大きい動物病院なんかではもっと多いんではないでしょうか
この乳腺腫瘍はワンちゃんで一番発生率の高い腫瘍ですが
以前から何度もお伝えしているように
若いうちの避妊手術で発生率を低下させることができます
昨日手術した子の写真です
痛々しい写真ですよね
こういう子を見ているともっと早いうちに避妊手術をしておけば・・・
と思わずにはいられません
その他にも卵巣癌や子宮の癌、蓄膿症など
当院では多くの女性特有の病気の手術を行っていますが
転移がある場合は・・・完治することが難しくなってしまいます
そういう際はいわゆる抗がん剤などを使用することが多いのですが
いわゆる副作用が心配です
抗がん剤はもともと第二次世界大戦時にヒトラーが兵器として開発したものらしいですが
それだけ生体にダメージを与えるお薬です
しかし副作用に体が耐えれるのであれば、
推奨量で積極的に癌をやっつけにいくのが一番だと考えられています
しかしもともと抗がん剤治療を受けるような人(動物)は
体力が低下していることも多く
抗がん剤に耐えることができない・・・
その結果「癌難民」と呼ばれる人が増え、社会問題ともなっています
動物でも平均寿命が伸びたことによって癌を患う子が増え
この「癌難民」が多くなってきているように感じます
それに体する新しい動きが「休眠療法」という治療です
癌を根治するために、副作用の多い治療を徹底的に行うのではなく
癌と共存・進行を防ぐための、長期維持を狙った負担の少ない治療です
もちろん体力がある子は徹底的に治療することが重要ですし
完治を狙って副作用と戦うことも必要かもしれませんが
そこまで望まれない方もいらっしゃいます
予後の厳しい癌を患ってしまったけど・・・
・辛い思いをさせたくない
・安楽死はしたくない
・長生きさせるよりも、良く楽に生かしたい
いわゆるQOL(生活の質)を保って天寿を全うさせてやりたいということですね
これが「天寿癌」の考え方です
医療界でも獣医療界でも少しずつ広まってきている考え方ですが
賛否両論あるかもしれませんね
何せ癌を治すよりも共存していくという道を選択する訳ですから・・・
しかし当院では一つの考え方として積極的に採用しています
先日出席した学会でも腫瘍科の先生がこの「天寿癌」についての話をされていました
深く考える良い機会になりました
今日は難しい話題だったかも知れませんね、すいません(笑)
明日も手術頑張ります
もちろん最初から根治は諦めません
手術するのであれば「目指せ完治」これは絶対です
では今日はこの辺で・・・・
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