子宮蓄膿症
10月22日(火)
秋になって涼しく?急に寒くなりましたね
皆さんも風邪をひかないように気をつけて下さい
病院も予防での患者さんは減ってきたように思いますが
重症患者さんは増えているように思います
寒くなると動物でも免疫力が落ちてくるのか
秋・冬は重たい病気の子が多いように感じます
今回は子宮蓄膿症の子が来院されました
主訴は元気食欲がない・・・とのこと
中高齢で避妊していないメスの柴犬さんです・・・
この症状を聞いてまず考えるのが「子宮蓄膿症」
(子宮の中に膿み(細菌の塊)がたまることで
腎不全や菌血症、DICを引き起こす非常に危険な病気です)
よくよく聞くと
1〜2ヶ月前程に生理があった(発情後2ヶ月以内で発症)
最近よく水を飲むように思う(多飲多尿)
この問診でさらに子宮蓄膿症の予感が頭をよぎります
状態も良くないため
血液検査、レントゲン、超音波検査を迅速におこなっている間に
静脈を確保し循環を改善させていきます
血液検査で白血球数、CRPの上昇(感染症や炎症で高くなります)
レントゲン・超音波検査で大きく拡張した子宮を確認
(赤丸で囲っているのが子宮で、お腹の中の大半を占めています)
その後スタッフにも残ってもらって夜の外来終了後に緊急オペとなりました
手術中に一度心拍が停止したりヒヤッとする場面もありましたが
なんとか手術に耐えてくれました
グロテスクですが・・・
左:摘出したばかりの子宮・卵巣
右:正常な子宮・卵巣
中には大量の膿みが貯留しており
重さは1キログラム程でお腹の大半を占めていました
手術直後はギリギリの状態で夜通しの介護・処置が必要となりましたが
翌々日からはしっかりと院内でご飯も食べてくれるようになり
術後の後遺症もなく退院していってくれました
退院前の写真ですが、なんだか嬉しそうですね
よかったよかった
子宮蓄膿症は放っておくと非常に危険な病気です
とくに未避妊・中高齢の雌犬で多飲多尿、発情後2ヶ月程ということであれば
この病気が強く疑われます
迅速な処置が命の分かれ目となるので
すぐに病院に連れて来ていただきたいように思います
またこのような命に関わる病気にならないためにも
子供を産ませる予定でなければ早めの避妊手術をお勧めします
では今日はこの辺で・・・・
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