犬猫の寄生虫学⑦
10月4日(火)
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜獣医師の臨時休診のお知らせ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
それぞれの通常の休みに加え、下記日程が休みとなりますのでご注意下さい。
院長:10月9日(日)、24日(月)、25日(火)、30日(日)
学会・勉強会参加のため、上記の通り獣医師不在の日がございます。
診療は通常通りおこなっておりますので、どうぞご了承ください。
雨が多い9月が終わりましたね!
10月は天気の良い月になって欲しいものですが、
今週また台風が接近するようですね、、、、
皆さん雨風には十分ご注意ください(´;ω;`)
これが今年最後の台風となってほしいものです
さて、今回は久々に寄生虫学をやっていこうと思います!
飼っているワンちゃん・ネコちゃんがものすごく痒がり始めた(´;ω;`)
このような症状を引き起こす原因の一つに「疥癬」が考えられます!
疥癬はセンコウヒゼンダニという種類のダニに寄生されることで起きる皮膚病であり、
激しい痒みを伴った皮膚炎を発症します
それによって、皮膚を掻くのが止まらないために
その部位が真っ赤になり、脱毛してしまうということも珍しくはありません(((( ;゚д゚)))
治療せずに放置しておくと、皮膚の赤みや脱毛が全身へと
広がっていってしまいます(;´Д`)
この時ワンちゃん・ネコちゃんには物凄いストレスが罹っています
この病気の特徴はダニが原因ということから、
季節を選ばずに激しく痒がるということが挙げられます。
センコウヒゼンダニは下の図のように皮膚の角質層にトンネルを掘ります
そこでは小水疱、いわゆる水ぶくれができます。
トンネル内で約3週間生息し、そこで産卵したり糞を排泄したりするのです(((( ;゚д゚)))
激しい痒みはダニから放出された刺激性物質に対する
アレルギー反応が基となっていますΣ(´д`;)
犬にはイヌセンコウヒゼンダニが、猫にはネコセンコウヒゼンダニが寄生します。
これらのダニは基本的に犬猫それぞれにしか寄生しません。
しかし、稀にではありますが人にも寄生することがあります。゜(´Д`)゜。
この寄生は一時的であり、人の皮膚内で繁殖することはありません。
とは言え、寄生された場合には激しい痒みを起こすこともありますから注意してください!
センコウヒゼンダニは角質層にトンネルを掘って寄生すると先程ご紹介しました。
ですから、このダニに寄生されているかどうかは角質を少し削り、
得られたサンプルを顕微鏡下で観察することによって判明します!
寄生されていた場合には下の写真のようなダニが検出されます(TДT)
では、いつどのようにしてこのダニに寄生されてしまうのでしょうか?
イヌセンコウヒゼンダニは犬以外にもタヌキやキツネに寄生するということが
報告されています。
道端や公園でこれら動物の死体に近づいたり、寄生されている犬との接触によって
イヌセンコウヒゼンダニはどんどん広がっていくと考えられています。
一方で、ネコセンコウヒゼンダニは殆ど猫にしか寄生しないと言われているので、
猫同士の接触が主な原因です。
ここで、1つ皆さんに試していただきたいことが!
皮膚を痒がる症状が見られた場合、耳を触ってみてください。
その耳と同側の後ろ足で掻こうとする行動が見られたら、、、
疥癬の可能性があります!
ただし、疥癬以外にも耳ヒゼンダニ症と呼ばれる耳にダニが寄生する疾患でも
起こることがあります!
この耳ヒゼンダニ症も疥癬と同様に顕微鏡を用いての検査が可能です。
疥癬に似た症状として、
耳ヒゼンダニ症、マラセチア性皮膚炎、毛包虫症などが挙げられます。
痒みなどの症状が出た場合には、適切な治療ができるように
病院で検査を受けましょう!
Hirohata@U-KYO-Animal Hospital
京都市右京区(鳴滝・常盤・太秦・嵯峨・嵐山・花園・梅津・円町・西京極)
動物の総合健康管理施設
右京動物病院 HEALTH CARE CENTER