東京から、、、よく頑張ってくれました。
こんばんは、院長です。
台風に地震、ここ数日の大雨と自然災害には圧倒されるばかりです。
当院は大きな被害もなく一安心ですが、被害に見舞われた方々には心よりお見舞い申し上げます。
さて今晩のお話はまたまた進行性脊髄軟化症の症例についてです。
この病気は大きめの動物病院に勤務している獣医さんでも
数年に1回見るかどうかという珍しい病気なのですが、
日本中で見るとやはり一定数の発生はあるようで本当に全国各地よりお問い合わせをいただきます。
今回は首都東京からの患者さんでした。
相談の中には脊髄軟化症とは違うケースも多々あるのですが、
今回の症例はすでにMRIも撮影しており、
画像専門医診断でも脊髄軟化症の可能性が極めて高いということで、
早急に京都へと来ていただきました。
とても可愛らしいカニンヘンダックスの女の子です。
来院時はまだ前足も比較的動かせていたですが、数時間後には徐々に前足まで麻痺が進行してきました。
自分で踏ん張ることもできなくなってきているため、緊急的な状況と判断して休日返上で緊急手術開始です。
常法通り脊髄にアプローチすると赤黒く変色した脊髄が見られました。
それを覆う硬膜を切開すると・・・
どろっと溶けた脊髄が奥から流れ出て来ました。
やはり画像専門医の診断通り脊髄軟化症でした。
そして障害されている脊髄を見極めるべく切開を大きく広げ、
手術を続けていきます。
時間はかかりましたが、手術は無事に終了です。
傷口も大きく痛々しいですが、よく頑張ってくれました。
その後もスタッフ交代で夜中の集中管理が続きます。
容態がいつ急変するかわからないため、この日は泊まり込みで看護です。
そして・・・2週間後・・・
退院の記念写真です。
まだまだ前足は自由には使えませんが、進行は止まり無事に退院することができました。
前足の神経反応もいきているため、リハビリ次第では前足での生活は可能になるでしょう。
もちろん排尿や排便などの介護はこれから必要になりますが、ご家族にもとても喜んでいただけました。
動物は自分の障害をコンプレックスに思うことなく、強く生きてくれます。
私の愛犬小豆も生涯の大半を下半身麻痺の状態で過ごしていました。
もちろんその間の介護生活は大変なものでしたが、本人は気にせず人生を楽しんでいたように思います。
愛犬たちの中でも1番長生きしてくれました。
動物も生きたいと思っており、ご家族の協力があればそれに応えてくれるんだと愛犬をもって確信しました。
今回の子もこれからの長い人生まだまだ元気に生き抜いてほしいと思います。
本当に遠路はるばる東京からよく諦めずに来てくださいました。
ご家族の決断と実践によって無事に命がつながりました。
本当によく頑張りました。
院長
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