レントゲン撮影のタイミング
3月8日(金)
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國廣:3月8日(金)
こんにちは。SAGANO院長の太陽です。
先日映画を観に行きました。私は結構な映画オタクなのですが、今回観に行ったのはグリーンブック。今年度アカデミー賞作品賞を受賞した作品です。
結論から言うと最高!あまりの良さに、翌日もう一回観に行きました笑
心理描写がとても丁寧で、たった一つの振る舞いでその人物のこれまでの歩みが全て伝わってくるほど。気持ちの揺れ動きや移り変わりが痛いほどよく分かり、自分のことのように感情移入できる映画でした。
私は映画、小説や漫画は感情の移り変わりや成長をいかにうまく描けるかがとても重要だと思っていて、例えばアメコミなどのヒーロー作品でもそれは同じだと思っています。
上映中のアクアマンも観てきましたが主人公の現在に至るまでの成長のプロセスやストーリの中での感情が全然描けていなくて残念でした。(もちろんカッコいいので観に行く価値はあります)
同じヒーローものでもブラックパンサーは敵味方ともに内面がよく描かれていて最高。
脱線しました笑
グリーンブック、題材は黒人差別ですが、『それでも夜は明ける』のような重い内容ではなくとても心温まるストーリーです。ここ数年でトップレベルです。ぜひ劇場でご覧ください!
さて症例の話を少し。
いきなりですが、レントゲンって適当に撮影すればいいってものじゃないんです。撮影する子の体重や部位に合わせて線量を微調節し、適切な角度で撮影しなければその診断精度は低下してしまいます。
またレントゲン撮影のタイミングを考えないと診断ができないことも。。
中でも呼吸器系のレントゲン撮影はタイミングがとても重要になります。
例えば肺の評価をするときは息を吸った時に撮影することが原則です。なぜならしっかりと空気で肺が膨らんでいなければ細部まで観察ができないからです。
今回は慢性的な咳が主訴の犬のKちゃん。
色々な検査をしてきたが原因が分からないとのことで来院されました。
レントゲン、血液検査、エコー検査でも異常は見つからなかったとのこと。
私も早速身体検査をしてみましたが問題はなく、頚部気管(首の中の気管)を体表から触診しても異常はありませんでした。
次にレントゲン検査を行いました。咳の検査をする際、レントゲン撮影のタイミングは2つあります。
吸気時と呼気時です。息を吸った時に異常がなくても、息を吐いた時に異常が観察されることがあるからです。(逆のパターンもあります)
呼気時
ん〜、咳の原因になるような問題はなさそうです。
こんなときは裏技があります。実は咳の診断をしていく場合、3つ目のレントゲン撮影のタイミングがあるのです。
それは咳をしたその瞬間です。
咳誘発時
緑の矢印の部分の気管が潰れてしまっていますね。胸部気管虚脱、気管支虚脱です。胸の中の気管なので頚部の気管を触診してもわからない訳です。(胸部気管は胸の中にあるので触診できません)
根本的な治療は外科しかないため、今回は内科で咳を止めてあげる方向で治療を開始しました。診断がついたことで止めてもいい咳だと判断できたのです。
おまけにもうひとネタ。
咳をして下さいと言っても動物は咳をしてくれません。ではどうやって咳を誘発させてレントゲンを撮影するのでしょう。
頚部気管に問題がある場合は頚部の気管を外から軽く圧迫すると咳が出ます。では今回のような外から圧迫できない胸部気管に問題がある場合はどうするのか。
ここでまた裏技。
一瞬仰向けにしてあげるというものです。これは仰向けにし、心臓を胸部気管に接近させることで、体表から人間の手では刺激できない胸部気管を心臓の拍動を使って刺激するというものです。胸部気管に問題がある場合は咳を誘発できることがあります。
教科書にも載っていない太陽オリジナルのつもりですが、きっと優秀な先輩方の二番煎じなのでしょうね笑
レントゲンひとつ取っても撮影者によって診断精度は大きく変わります。機械任せではなく頭を使った撮影の工夫が大切だと再確認した症例でした。
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taiyo@U-KYO-Animal Hospital
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
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