緊急手術が立て込みます。
こんばんは、院長です。
新型コロナで世間はとても大変ですね。
当院でも受付スタッフはマスクを着用してもらうようにはしています。
お聞き苦しいこともあるかもしれませんが、ご理解お願いします。
そして一刻も早くこの自体が収拾に向かうことを祈っています。
そんな状況ではありますが、動物の病気も待ってはくれませんので、
日々手術や診察が多くあります。
そして明日の朝からも緊急手術が一件入ったため、私の午前診察はお休みとさせていただきます。
このようなことが続いて大変心苦しいですが、どうぞご理解お願いします。
ちなみに明日の緊急手術の内容は進行性脊髄軟化症です。
私が緊急手術でお休みをいただく病気はある程度決まっています。
今回はその中でも特に多い3つの病気をご紹介します。
①進行性脊髄軟化症と椎間板ヘルニア
なんどもブログでも登場している病気ですので、皆様もわかっていらっしゃるかと思います。
この病気はダックスやトイプードル、フレンチブルドッグでの発症が多く、
椎間板ヘルニア(急性の後肢麻痺)から続発する病気です。
進行性脊髄軟化症になる確率というのは低いものではありますが、
グレード5の椎間板ヘルニアの場合では10~15%ほどで発症することがわかっています。
一度発症してしまうと、1週間以内にほぼ100%が命を落としてしまう非常に恐ろしい病気です。
この病気の治療を私が5年ほど前より実施していますが、
救命率の高さから全国から患者さんが来院されます。
明日は大阪からの患者さんです。
これは椎間板ヘルニアの手術写真ですが、背骨の中にある脊髄という太い神経を椎間板物質が圧迫するために
様々な神経症状を引き起こします。
椎間板ヘルニアではこの圧迫物質を早急に摘出することが治療となります。
進行性脊髄軟化症では広く壊死した脊髄の内圧を下げていく治療を実施します。
②尿管閉塞
尿管とは膀胱と腎臓を繋ぐ非常に細い管です。
その管の中に結石が詰まることで、水腎症、そして急性腎不全が生じます。
早急に閉塞を解除しないと、腎機能が戻りませんので一刻も早い手術が必要となります。
近年では猫ちゃんでの症例が非常に多いですが、猫の尿管というのは正常では内径0.5mmほどの非常に細い管で繊細な手技が必要とされます。
当院では尿管切開による摘出と皮下尿管膀胱バイパス術(SUBシステム)という手術で治療を実施しています。
これは猫の尿管に詰まった結石を摘出している写真です。
切開した尿管は髪の毛よりも細い糸で再度縫合していく必要があり、非常に神経を使います。
実は明日の夜はこの手術が緊急で入っています。
③僧帽弁閉鎖不全症
いわゆる弁膜症という心臓病です。
僧帽弁という左心房と左心室を隔てる弁が変性を起こすことで、心臓内で血液の逆流が起こり、咳や呼吸困難、失神などの症状を引き起こします。
今までは内科治療で延命するしかできませんでしたが、昨年の秋より当院でもこの病気の対する手術治療を京都府で初めて開始しました。
おかげさまで開始早々から毎月のように手術予約や獣医師先生からのご紹介があります。
この手術は多くのメンバーの協力が必要不可欠ですので、
10人体制で6時間以上に及ぶ手術を実施します。
また緊急性の高い患者が手術となるため、
メンバーの都合を合わせるのも一苦労です。
いつも一緒に手術をしてくださるメンバーには感謝してもしきれません。
最近では非常に多い上記3つの手術を今日のブログではご紹介させていただきました。
上記のような病気になったとしても私に相談していただければ、全力で助けたいと考えています。
そしてどれも緊急性の高い疾患のため、私の診察が急に休みになったりすることも多いですが、どうかご理解いただければと思います。
明日は午前中に①進行性脊髄軟化症の手術を、そして夜の診察を終えた後には②尿管閉塞の手術が控えています。
なんとか乗り越えて、皆に元気になって帰ってもらいたいと思います。
明後日は疲れた顔をしているかと思いますが、そっとしていただければと思います(笑)
院長
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動物の総合健康管理施設右京動物病院 HEALTH CARE CENTER・SAGANO
JAHA認定 総合臨床医・外科医/ 国際中獣医学院認定 中獣医鍼灸師
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