悪性腫瘍との決戦
5月28日(火)
開院一周年に際し
多くのお祝いの言葉をいただきました
皆さん、本当にありがとうございます
これからも宜しくお願いします
さて・・・以前のことですが
当院ホームページの問い合わせからメールをいただきました
内容は
「右前足が悪性腫瘍に侵されてしまっている。
根治のためには断脚しかないが、高齢の犬なので出来れば足は残してやりたい。
しかし放っておくこともできないので、何か良い治療方法はないでしょうか。」
というもので、来院していただき治療していくこととなりました
悪性腫瘍は以前の検査ですでに「脂肪肉腫(軟部組織肉腫)」という診断がついています
肉腫というのは非常に厄介です
根がとても深く、タコ足のようにはっているため
手術で取りきったつもりでも再発が容易に起こります
また悪性の腫瘍ですのでもちろん肺やリンパ節への転移もおこります
外観の写真ですが正直どれが”できもの”か分かりませんよね
触診すると確かに”できもの”はあるのですがどこが境界なのかも分かりません
可動性もなく固着(腫瘍がベタッと張り付いている)しているのかなと嫌な予感がします
現状況では明らかな転移はなく
”できもの”は前足だけに限局しています
私個人の意見としても断脚が根治にはベストの選択ですが
オーナーはそれを望んでいません
「もちろん悪性の腫瘍であれば何とかしてやりたい
ただもともと足の悪い子なので
腕は残しておいてやりたい・・・
負担をそこまでかけずに
何とかこの悪性腫瘍を治療できないか・・・
諦めたくはない
完治できなくても楽に長く生かしてやりたい」
これもまた難しい問題ですが
獣医師も家族も何とか治してやりたい
目指すべきゴールは同じです
そこで今回は多くの議論を交わした末
「腫瘍摘出およびICG併用レーザー療法」を実施することにしました
悪性だからと諦めるのではなく
どんどん成長して体を蝕んでいく腫瘍と戦うこととなりました
このように動物が病気に侵されたとき
飼い主さんの考えは様々です
人間でも
ガンになったら治療は何もしなくて良いという考え方の人
ガンと向き合い徹底的に治療をされる人
はたまたアンジェリーナ・ジョリーのように乳癌予防の手術を受ける人
いろいろな考え方があります
その個人個人の考えを尊重するのが大事だと思います
当院ではできる限りの選択肢を提示するようにしています
そして病気と戦われる際は精一杯の援護をさせていただいています
今回も厄介な”できもの”と戦うこととなりました・・・
明日に続きます
では今日はこの辺で・・・・
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