子宮蓄膿症の手術
6月2日(月)
以前からも何度も書いていますが
当院では子供を産ませる予定がないのであれば
避妊・去勢手術を勧めています
とくに中高齢の女の子の病気で怖いものは
「子宮蓄膿症」と「乳腺腫瘍」 です
今回の症例は子宮蓄膿症ですが
この病気はその名の通り
「子宮の中に膿み(細菌)が溜まることで生じる全身の感染症」です
症状が進行するとDICや腹膜炎、腎不全なども生じてしまい
非常に緊急性・危険性の高い疾患です
治療は膿みを排出させて、抗菌剤で感染をコントロールしていくことになります
しかし子宮はお腹の中にあるため基本的には手術で取り出すしかありません
今回の子は状態が悪く
子宮も破裂しそうな程に膿みが貯留していたために
日曜日の午後でしたがスタッフにも残ってもらって緊急手術となりました
(今回は手術中の写真を多く載せているので、苦手な方はあまり写真を見ないでください)
アメリカンコッカーの女の子ですが表情もグッタリとしており
陰部からは膿みを排出させていました
麻酔をかけて毛狩りを施し、て手術野を綺麗に消毒していきます
全身状態が悪いためできるだけ短時間の手術になるように心がけます
開腹すると非常に大きな子宮が出てきます
これを破いてしまわないようにそっと取り出していきます
(”手”と比べてもいかに大きいか分かりますね 約2kgの重量でした)
ソノサージも用いる事で確実な血管・組織の剥離をおこない
素早く手術を終えました
手術を何とか無事に乗り切れば
後は本人次第で、開腹を祈って内科治療を続けていきます
今回は術後比較的早期からご飯を食べてくれたこともあって
4日程で無事に退院となりました
再診の時には元気な顔を見せてくれて
おやつも喜んで食べてくれるようになりました
子宮蓄膿症は手術を乗り切れれば比較的予後の良い病気ですが
状況によっては手術に踏み切れない場合であったり
後遺症や合併症が残ってしまう場合もあります
未避妊のワンちゃんは注意してあげてくださいね
ポイントは多飲多尿、陰部からのオリモノ、生理後2〜3ヶ月です
では今日はこの辺で・・・・
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