肝細胞癌摘出
6月22日(土)
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デンタルセミナー:6月23日(日)
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2022年5月から夜間診療を開始しました。
平日20:00~24:00で実施しています。
ご来院前に必ずお電話いただき、救急の方のみご利用ください。
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こんにちは、獣医師の國廣です。
あっとい間に6月も終わりを迎え、本格的に夏が近づいてきました。
日中は30℃を越える日も増えてきているので、炎天下での車内や散歩は熱中症の危険があります。
短時間でも車内にわんちゃんを置かない、日が出ているときの散歩は控えるなど十分に注意してください!
では、本日のテーマはコーギーのKちゃんについて。
タイトルにもある通り、肝臓の腫瘍を摘出しました。
元々5年前に乳腺腫瘍の摘出をしており、今回もはじめは乳腺腫瘍を主訴に来院されました。
手術の予定を立て、術前検査を実施したところ、画像検査で偶発的に肝臓腫瘍を発見しました。
エコー画像では赤丸で囲った、白色と黒色が混ざって見えるのが腫瘍です。
(正常の肝臓は灰色に見えている部分です。)
乳腺腫瘍の手術は延期し、CT検査のみを実施しました。
こちらがCTの画像ですが、肝臓腫瘍はかなり大きくなっており、赤矢印で示した後大静脈と呼ばれる最も太い静脈に接していました。
出血のリスクが非常に高い手術にはなりますが、飼い主様と相談の末、手術による摘出を実施することになりました。
以降、手術中の写真が出てきますので閲覧に注意してください!
まずはお腹を大きく正中切開し、腹腔内の臓器にアプローチしていきます。
腫瘍から出血が起こっており、臓器同士がかなり癒着していました。
まずはそれを丁寧に剥離していきます。
写真では腸間膜と膵臓が肝臓に癒着しています。
そして腫瘍の摘出のために、多くの血管を結紮、切除していきます。
当院では血管が豊富な腫瘍の摘出には「キューサー(超音波吸引装置)」という機械を使用しています。
そして太い血管を全て処理し、ようやく腫瘍が摘出できました。
Kちゃんは乳腺腫瘍も同時に摘出を行いました。
最後に腹壁と皮膚を縫合し、手術は終了となります。
今回のような大きな手術では麻酔専門医を呼び、万全の状態で挑んでいます。
飼い主様にも安心して手術を受けてもらえますし、軟部外科手術は当院の強みでもあります。
病理検査の結果は、肝臓腫瘍は「肝細胞癌」、乳腺腫瘍は「乳癌」という診断でした。
原発性(転移ではない)肝臓腫瘍はわんちゃんでは、全腫瘍の1.5%未満と稀ではあります。
一般的には外科的摘出が第一選択の治療でありますが、術後合併症として出血以外にも
・膵炎
・血栓症
・肝不全
などが起こりえます。
「肝細胞癌」自体は、比較的ゆっくり大きくなる腫瘍なので無治療でも比較的予後はいいですが、Kちゃんのような大きな腫瘍の場合は外科手術で5倍以上も生存期間中央値が延長することが知られています。
5日ほどの入院のあと、無事Kちゃんは退院しました。本当によく頑張ってくれました。
乳癌との戦いもまだありますが、Kちゃんならきっと乗り越えてくれると思います。
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